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「Giネット」の話の続きを少しやって、次の話題に入ります。
「Giネット」の一番目の仕事として、ある医療施設のサインや何や、クリエートな部分の一切を、このネットで請合うことを考えています。少し前に書いた「病気にならないための病院」づくりの仕事です。「Giネット」のメンバーは、たいがい脛に傷を持っていることと、身体のどこか(生活習慣病という奴)に痛みを抱えています。 脛の傷はともかくとして、生活習慣病は、習慣病というだけあって、日常生活が改まらないとなかなか治らないものです。予防医学というものの、日常生活が改まらない、病院に行かない、行っても医師の指示に従わないでは、治りようがありません。 そういうメンバーに、病気にならないための病院」づくりのクリエーターが務まるかどうか疑問でありますが、団塊世代は、仕事となるとシャカリキになってしまう習性がありますので、わたしは案外おもしろいことになるのでは、と思っています。 さて次の話題、森里海連環学についてです。 京都大学に、尾池総長肝いりの「フィールド科学教育研究センター」が設置されました。このセンターは、林学・農学・水産学・建築学など、これまでの京大の研究教育成果を踏まえて、新しい学問の確立をはかる目的で設置されました。専門領域の深・進化のためにも、学際的な視点が求められるようになっており、森里海を繋げて考えることで、それをアウフヘーベンしようというところに、このセンターのおもしろさがあります。 わたしは、工務店ネットの側から、この学問につよい興味を持ち、京都大学内で工務店を集めて勉強会を開いたりしてきました。毎年、京都大学が開いている「時計台集会」にも参加し、今年末の集会ではパネラーを務めることになっています。 また、日本の川(川は森里海を繋ぐ動線です)にくわしい天野礼子さんを塾長に据え、わたしが塾頭になって「森里海連環学・実践塾」を開いています。前回は、長野県の鬼無里村にみなで行きました。 しかしながら、この学問と、町場の工務店の仕事が、どこでどう結びつくのか、何を共同・協同・協働のテーマにして取り組めるのか、まだつかみ切れているとはいえません。けれど、森里海を包含する世界に、これからの日本のあるべき姿や、地域工務店の仕事に重なる「何か」をそこに感じることはできます。 地域工務店は、学問しているわけではありませんが、それぞれ地域というフィールドを持っています。野丁場で繰り広げている煩瑣な仕事は、悪くいえばフィールドに埋没している毎日といえるのかも知れませんが、ともかくも、「里」の領域で建築を正業とし、その槌音が町をかたちづくり、良くも悪くも絶えざる変化をもたらしていることは確かです。建築は、それ自体一つの社会活動であり、連環の中で成り立っている業だからです。 次回の実践塾(12月16日〜17日) は、日本一の清流と、耕して天に至る棚田の村として知られる島根県柿木村(柿木村のことは季刊誌『住む』春号に書きました)で開きます。今回は、村の公開講座を兼ねた開催になっていて、C.Wニコルさん・京大竹内典之教授を招待講師になってもらいます。パネルディスカッションには、建築家の永田昌民さんや、地元の面々がパネラーとした登壇いただき、いろいろな議論を行いたいと思っています。 今回の実践塾には、全国の工務店メンバーのほか、建築家の秋山東一氏・伊礼智氏・村松篤氏も参加の予定で、とても不便な場所で開かれる会に、これだけのメンバーが集まること自体、とてもユニークなことだと思っています。 参加したい方(特に工務店の人)は、お申し出ください。
by sosakujo
| 2006-11-10 12:40
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