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小池創作所代表・小池一三のブログです
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1965~2000年までに建てられた住宅
今、神戸の勉強会のことがあって、いろいろ調べものをしています。その一つに、新設建築戸数の推移があって、1965(高度経済成長開始期)~2000年(阪神泡時代震災から5年目。「品確法〉制定前年)までに建てられた住宅は、全部で4991万戸(持ち家/2005万戸)を数えます。この間を平均すると、毎年139万戸(持ち家/56万戸)の住宅が建てられてきたことになります。

最近の中国を例外にして、世界史上、類例のない未曾有の建築ラッシュということができます。
この間、高度経済成長があり、「消費革命」の進行がありました。
住宅も、この波に乗って伸張したのです。この“消費拡大”は、日本の「豊かさ」を示す指標とされました。いうなら、この建築数は「1億総中流化」の所産です。大波小波、乱高下しながら、これに乗ってみんなやってきたのです。

これらの住宅は、リフォームの〈適齢期〉ということもありますが、流行と陳腐化を繰り返す短サイクル消費
指向で造られたものが多く、建築主自身、慌てて建てて失敗したと悔いている人が少なくありません。
小部屋ばかりが多い間取り、ビニールクロスの多用、単板ガラスのサッシ、エネルギー多消費で、夏暑く冬寒い家、これを変えられるものなら変えたい、とみんな思っています。テレビの〈劇的・ビフォーアフター〉の根強い人気は、それを物語っていないでしょうか・

高度経済成長期に建てられた住宅の多くは、ピカピカ、ツルツルしていて、均質で無臭性で無機質な素材によって建てられてきました。本来、長い時間を生きるものです。それなのに竣工したときがピークである家が建てられてきました。家が汚れるにも、美しい汚れ方というものがあります。

今回の勉強会は、耐震化をすすめながら、それを木の家の本格リフォームに結び付けようという意図を持っています。いわゆる「リフォーム屋」さんのリフォームではなく、工務店・設計士がやる本格〈木の家リフォーム〉を確立させようというのです。その違いを、どこまで明瞭に示せるか、耐震化と並ぶ、今回の勉強会の大きなテーマです。
事例発表に誰を選ぶか、今、必死に発掘中です。

本日夜半にも、プログラム解説4~5がUPします。
アドレスは、
http://t95.jp
です。ご笑覧ください。
by sosakujo | 2010-12-06 15:54
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