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小池創作所代表・小池一三のブログです
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電力抑制下、自然室温で暮らせる家 1.
タイトルをテーマに掲げてプロジェクトが開始されて3ヶ月、この間、2回長時間にわたる検討会を開きました。ようやく、一つのカタチが生まれつつあります。わたしの方は、38ページのパンフレットをまとめていて、その原稿を今朝ほど、全部、書き上げました。おもしろいものになった、と思っています。

しかし、このテーマ、まとも過ぎませんか。
今夏は、6月から熱中症で亡くなる人もいて、その中でのこのテーマ。
自然室温とは、エアコンを回さないで、素の状態で過ごせる住まいをいいます。
熱工学者が専門用語として使っている言葉でもあり、一般的には馴染み難い言葉です。それをあえて持ち出したのは、この炎熱下、自然室温で暮らせる意味と価値です。

50年前までは、「自然室温で暮らせる家」は普通でした。エアコンが入っている家は稀で、エアコンは百貨店などの世界のものでした。ガンガンの冷房が、百貨店のお客へのもてなしでした。まだ電車も窓を開けて走っていました。夕方になると床几が出てきて、夕涼みしました。

その頃に戻ろうというのではありません。もう、戻れないと思います。
都市部の温度は年々高くなっており、昔のままではありません。窓を開けたら、隣りの室外機が唸りを立てていて、その熱が入ってきます。
ですから、今の時点で「自然室温で暮らせる家はユートピアだよ」という人がいます。

3.11を経て、住宅の仕事に関係していて、考えるところがたくさんあります。
日本の近代は、明治維新と、太平洋戦争の敗戦の大転換があり、今回は3回目の転換にあたると思います。20世紀文明そのものが問われている、と言った人がいますが、同感です。

これから何回か、このテーマで書くことにします。
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# by sosakujo | 2011-07-22 16:03
津村書店のこと
スイス・フランス・スペインの旅から戻ってきましたが、そのあと、留守中の仕事が溜まりに溜まっていて、それに忙殺され、ブログを休んでいました。再開します。

先日、気象庁の1F奥にある津村書店に行ってきました。絶版になった『日本気候図』が一冊だけ残されていて、それを買うための訪問でした。ここは古本屋ではありませんので、稀少本も、発行当時の価格で売られています。津村本屋のことは、気象庁にいた友人から聞いていて、「おやじがおもしろい人」だと聞いていました。気象に関する書籍については、生き字引のような人だと言っていました。
品揃えが豊富なのもいいですね。官庁の書店では、農林業に関しては農林省の本屋の品揃えが、整理されておらず、雑然としていますが悪くありません。国交省の書店は???です。八重洲ブックセンターの方が揃っていると言う感じです。
気象庁の津村書店は、委託販売の本が少ないのか、返品されず残ってしまったのかよく分りませんが、よくぞ残っていてくれた、という本が結構あります。気象に関心のある人は、一度、覘いてください。入口の政府刊行書籍を販売しているところとは違うので、お間違いなく。入口でセキュリティがありますが、本屋さんの名前を告げると入れてくれます。
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# by sosakujo | 2011-07-11 09:18
スイスへの旅
今日からスイス、フランス、スペインと回ってきます。
スイスでは、国立材料研究所とチューリッヒ工科大学と情報交換したりします。木の建築も、いろいろ見てきます。
スイスは原発を廃棄することを、ドイツよりも早く決めています。
EU参加の是非でもそうでしたが、スイス独特のレファレンダム(直接民主制の制度)を使って、これから脱原発の賛否を国民に問うことでしょうが、政府(連邦参事会)が、 脱原発の方向を明確に示した点に、この国のおもしろさがあるようです。
移動中に、クール周辺にたくさん建っているピーター・ズントーの住宅を見ることになっていて、これが楽しみです。アイガー北壁を前に見る民宿に泊まることにもなっています。

一転して、フランスは原発王国です。
ボルドーの町から60キロ北のジロンド河岸に、4基の原子炉を持つブライ原子力発電所があります。ここを見てきます。
スペインは風力発電の国です。
スペイン海岸と内陸部の荒地に立つ風車の風景を写真に収めてきます。

重いカメラと三脚を持って、走り回る旅になりそうです。

海外旅行だけ、記録をつけていますが、今回の旅で、つごう500日、海外を歩いていることになります。何を見ているかというと、結局、日本を見ているのですが・・・。
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# by sosakujo | 2011-06-09 05:00
浜岡が止まることになった
浜岡原発が、すべて止まることになりました。
これをずっと主張してきましたので、感慨を禁じえません。

浜岡については、『住まいを予防医学する本』にかなりのページを割いて載せました。
この本は2007年の発行です。持っている人は、ぜひ、読み直してください。
住まいネット新聞「びお」にも再録しています。

当然、あの時点であそこまで書き込むことにためらいがなかったといえば嘘になります。今回の福島第一原発事故の際にも、すぐに浜岡原発と四国の伊方原発を止めるべきだと打ち出しました。これも社会通念に照らして、勇気を必要としました。

わたしは、工務店グループの代表であり、ある意味、政治的な主張と受け止められかねないことを言ってきたのでした。
建築は、文明の一つであり、どのような文明をめざすべきかという意思を持つべきだと考えてのことで、それで組織が滅びるなら致し方ないと考えてのことでした。

『住まいを予防医学する本』には、電磁波についてもアスベストについても、踏み込んで書き込みました。ドイツの電磁波研究所の写真も探し出して載せました。
住宅業界が「オール電化」になびく中での掲載であり、無謀、無茶だという意見もありました。
しかし、少なくとも50年という単位で考えれば、言うべきことを伏せてはならないと考えました。
業界紙は、理念の必要を言いながら、本質的な問題を考えることを回避していました。
みんな避けていました。それほどに東京電力は怖い存在でした。彼らの横暴を許してきたことが、今回の福島原発の事故を生んだのだと思います。

中部電力は、福島の事故の後、浜岡原発は12mの防波堤を設けるので大丈夫だと言っていました。
工事期間は、少なくとも2年を要するという話でした。
一方、東海地震は明日起こっても不思議でないということですので、それを政治が見逃すのか、と思っていました。
浜岡のすぐ隣に住んでいるからというだけでなく、もし東海地震が起これば、日本は滅びます。

今回の停止は、管総理の英断でありますが、論理的に考えると、唐突なことでもなんでもなく、至極、当然のことだと思っています。地震が起こらないドイツにあって、メルケル首相が判断したことと比較して、なあなあ社会の日本に呆れていたわたしは、この英断に、日本は捨てたものではないと思いました。これはやはり、自民党内閣ではできなかったことで、この一事をもって、民主党内閣を選んだことの意味はあった、と思いました。

今回の英断は、日本の現代文明のターニング・ポイントになると思います。
多分、これから週刊誌で書かれることは、菅内閣の延命策であり、スタンドプレーだといった攻撃でしょう。しかし、菅政権の行方にかかわらず、この政治決断はやはり重いと思います。

建築が考えなければいけないことが、いよいよ、これから問われます。
連休も何もなく、今、そのことで走り回っています。
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# by sosakujo | 2011-05-07 00:57
石巻訪問記
昨日、石巻の地元の人の案内で、武山倫さんとご一緒して、津波に襲われた石巻の各所を視察しました。その光景は、テレビで、新聞で、雑誌で、目にし、耳にしていることですが、それらから五感が知覚できること、想像力の及ぶところは、ほんの僅かなことだと痛感しました。

最初に訪問したのは、石巻の新港湾部にある製材工場、製紙工場などでした。
製紙工場あたりは、コンテナがグリコのおまけのおもちゃのように流されていて、コンテナを牽引するデーゼルが逆立ちしたまま放置されていました。再生紙用に集められた古紙が泥の上に散乱し、その夥しいまでのゴミの量と、腐臭に鼻が悲鳴をあげました。

案内いただいたのは、この一角にある大きな製材工場の代表者を務める方で、彼は、流された原木800本を、幾日も掛けて泥の中から救い出した人です。泥水の中に遺体が浮かんでいて、広島や長崎の被爆地に自分が立っているような思いをしながら、自ら鳶口 ( とびぐち )を手にし、原木 丸太を一本一本集めたのでした。その鳶口は、卸売市場でマグロ業者が用いる柄の短いもので、これが使いやすいのだと言っていました。頼れたのは重機ではなく、鳶口だったのですね。

この工場には、皆川林野庁長官が先に訪問されていて、海辺に面した木造大断面集成材の建物が残っていたことに、たいそう感激されたという話でした。鉄骨の工場がぐにゃりと変形しているのと対比をなしていて、これが残ったため製材機械類が、かろうじて守られたという話でした。

石巻は水産の街です。その工場やら、流通基地となっている一角を回りました。
ここでも破壊は凄まじく、道路沿いの瓦礫こそ撤去されたものの、打ち捨てられた車両の数々、看板類や大型冷凍庫などが混在しながら、あえていうなら鬱々としてありました。
呆然としながら思ったことは、ここで大勢の人が働いていたのだ、ということでした。
水産基地としては、私の知る限り、釧路のそれと匹敵する大きさです。
小さな卸問屋や梱包を扱う会社など、その雑多さは水産の街に特有のものですが、破壊が大きすぎて手を出せないのか、人の姿をほとんど見掛けませんでした。

ここに働いていた人は、ほとんど解雇されたといいます。
経営者たちが、津波に遭って最初に「経営判断」したことは、経営を放棄することでした。雇用を切るということは、即、経営が亡くなることでありますので・・・。それぞれに零細な水産関連会社が、給料を出し続けることはムリなことです。失業保険の適用を受ける方が実際的でありますが、人手を失った被災のあとは放置にまかせられ、音が消えた水産の街というものの不気味さは、言語に絶するものがありました。

今、東北には膨大な瓦礫があります。岩手県の推計では、今回の津波によって生じた災害廃棄物は、一般廃棄物の12年分に相当する580万㌧もあるといいます。東北三県を合わせると、ものすごい量の「資源」がそこにあります。これを資源に変えるには、廃棄物を用途に合わせて分別することです。金属物はリサイクルに、コンクリートなどは地震によって生じた地盤沈下に、木片はチップにして、パルプやバイオマス、木繊維断熱材などにリサイクルします。

今回の訪問は、実は、この分別作業を、地域ごとに時限を設けた失業対策事業(雇用対策)にしてやってはどうか、という提案を行うべくやってきたのでした。瓦礫の撤去作業をボランティアに任せてやり切れるものではありません。住居地はともかく、生産の場所はなおさら困難なことです。

2年程度の時限にして、その間に、本格雇用できる事業所を整備します。、この廃棄物利用の中から新しい事業の誕生をはかり、それを根付かせることが復興の基礎条件になるのでは、と考えてのことでした。7万戸もの仮設住宅を造っても雇用がなければ地域は荒れます。ニューヨークの犯罪が減ったのは、雇用を条件づけたことでした。

わたしは、その木片利用に一つのアイデアを持っていて、石巻の工場は、そのポテンシャルを有していると考え、瓦礫の木片を用いなくてもやれることです。しかし、この地域の将来を考えると、瓦礫をどうするのかということが重くのしかかっており、それは瓦礫を資源に変えることなくしてありえないと思われました。そしてそれを雇用創出の機会にしてはどうか、というのが私の提案です。
話が大きいので、どこまでやれるか分かりませんが、今回の訪問で、その可能性を共有することはできました。来週、もう一度石巻を訪問します。

水産基地を見た後、津波で壊滅した町として知られる雄勝町を訪ねました。
雄勝町は、硯石や東京駅のスレート屋根の素材(この話はややこしい問題に発展しており、別にまた書きます)の産地として知られます。
石巻から北上川を遡り、途中で山越えして入ります。リアス式海岸に面した入り江の町です。
大型バスが津波で流され、3階建ての公民館の上に留っていました。役場も、学校もやられ、小さな建物は壊滅的に流され、茫漠とした光景が広がっていました。

石巻の街で、ボランティアしている仙台の工務店、建築工房零の小野幸助さん一行と、偶然、お会いしました。小野さんの奮闘ぶりは、いろいろ聞いていて、その勇姿に接し、雄勝でのショックが、少し和らぎました。北九州の木島さんがいらした話や、町の工務店ネットのみなさんのカンパの話など、短い時間でしたが、お聞きすることができました。仲間の皆さんに、感謝の気持ちを伝えてほしいと言われました。
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# by sosakujo | 2011-05-05 07:14
原発の経済学
大島堅一さんの『再生可能エネルギーの政治経済学』(東洋経済新聞社)を読みました。原発は発電コストが安い、という話を根底から覆す本です。

今、言われている料金原価には、
1.発電に直接要する費用(燃料費、減価償却費、保守費など)
2.原発に特有の「バックエンド費用」(使用済み燃料再処理費、放射性廃棄物処分費、廃炉費)3.国からの資金投入(開発・立地のための財政支出)
4.事故に伴う被害と被害補償費
などは算入されていません。

エネルギーに関する国の財政出動の95%は原子力に向けられており、それは火力の106倍、水力の27倍に相当します。原子力はキロワットアワーあたり2円分を国が肩代わりしていて、「総単価」を電源別にみると、原子力10・68円.火力9・90円.水力7・26円.一般水力3・98円.揚水53・14円で、「原子力+揚水」は12・23円になります。

この本は、3.11前に書かれた本です。
今回の事故によって生じる損害賠償と、新たな地震対策を加えると、原発安価でないどころか、国民にとっては最も割高なエネルギーになり果てました。

今回の事故で、原発の「安全神話」は完全に崩壊しました。
もう新規立地は、全国どこでも無理でしょう。事故防止のコストが高くなり過ぎて、電力会社にとっても割に合わなくなります。古い原発は、今後次々と廃炉となっていくでしょうから、20年、30年という単位で考えると原発は細る一方です。
いま、原発に使われている国費を、「脱原発」に転じ、再生可能エネルギーに回せば、年間4000億円ぐらいの予算が生まれます。さらに再処理費をやめれば、その分の11兆円も回せます。

このようなことを、しっかり分析、立証している本です。
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# by sosakujo | 2011-04-30 08:55
全国縦断セミナー完了の報
4/13の名古屋を皮切りに、大阪・福岡・札幌・東京と開催してきましたセミナー、無事、完了することができました。各地盛会で、昨日の東京会場は70名の定員に100名近い方が参加されました。参加者・講師陣・関係者の方々に厚く御礼申し上げます。

この企画は、3.11前に企画したことから、急遽、地震学者の島村英紀さんに登壇いただくことになりました。講師陣はほかに、既存建物耐震補強研究会の保坂貴司氏、EOMの荏原幸久氏、それと私の4人でした。
大要を報告しておきます。

島村英紀さんのお話
最初に、しばしばこの国を襲う化物(地震)の正体について解かれました。世界全体を見渡すと、地震は実に不公平に起こっているといわれ、プレート型と内陸型の地震の、それぞれの性格を分かりやすく解かれました。
地震や火山、台風などの地球活動は、一方でこの国の自然景観をつくってきました。
1/17の神戸の勉強会で、尾池和夫(京都大学前総長)さんは、それを「変動帯の文化」といわれました。島村さんのお話を聞きながら、大地不変の文化の違い、この列島の宿命ということに思いが至りました。
島村講義で興味深かったのは、活断層の話でした。
活断層は、東京・千葉・茨城に、ほとんどありません。ないのではなく、分かっていないだけのことだよ、と島村さんは指摘されました。南関東の、いわゆる関東ロームは、富士山や箱根の火山活動の降灰によるもので、その下の地層は対象になりません。活断層は、見えて確認されるものでないと対象とされないのです。埼玉・千葉・茨城も、利根川や荒川、那珂川などの洪水、氾濫による堆積物の下に断層が眠っている可能性は否定できません。そもそも2000程度確認されている活断層自体を、気象庁は100しか発表していません。
島村さんのお話でもう一つ興味深かったのは、今回の地震の性格でした。M9.0に驚き、圧倒的な津波の威力に言葉を失いましたが、浦安や、神奈川の金沢文庫などで手酷い液状化現象は見られましたが、阪神淡路大震災などと全体を比較すると、壊滅的な建物破壊は免れました。
実は私は、地震直後にそのことについて、このブログに書き、地震後10日間でまとめた〈地震ノート〉の巻頭に掲載したものですから、果たしてどうなのか気になっていました。島村さんから、方向としては間違いないといわれ、ホッとしました。

今回の地震は津波地震でした。
死亡者の9割は、水死(溺死)によると報道されていますが、津波研究者の山下和男さんは、実際には打撲死だと言われています。
阪神淡路大震災は、地震から14分以内に92%の人が、建物倒壊で亡くなりました。圧死・窒息死でした。
関東大震災は、死者12万人、避難者190万人を数えましたが、火災による死亡者が多数を占めました。地震がおこった時間・地形・地盤・気象によって、被害は大きな影響を受けます。神戸は、朝の5:46に起き、関東大震災は昼食を作っている時間に起き、折から能登沖を進んでいた台風の影響で15mの風が関東に吹いていました。小さい地震でも侮れない、と島村さんはいわれました。

地震とは何なのか、その基本的なことを、この機会に勉強できたのはよかったと思っています。島村さんには、最初から終わりまで行動を共にしていただき、その謙虚にして高潔、深い知見と洞察力に触れ、人格的感銘を深くしました。

保坂貴司さんの話
耐震改修の実践者の目で、今回の地震を見てこられた現場報告がありました。壊れた建物の原因をつぶさに検証され、臨場感あるご報告でした。保坂さんは、耐震性能と共に劣化対策の重要性を指摘されました。これは、今後の既存住宅の制度策定の重要ポイントとなることでしょう。
保坂講義のポイントは、土地調査の重要性と、耐震診断・改修から、構造診断・改修へという指摘にありました。今の耐震は、壁耐力が基本となっており、基礎と表層地盤の把握が重要との報告は、今後の既存改修の大きな問題となるものです

荏原幸久さんの話
荏原さんとは長い仲であり、盟友です。この人は、住まいの熱の実践家として45年の経験を持っています。一歩踏み込んだ建築材料の見方・考え方を示されました。工務店は、強度や室内空気質に影響を及ぼすものは問題にするけれど、材料が持つ熱的性能を把握しているかどうか。荏原さんは、建築材料の熱的データをずっと扱ってきた人なので説得力ある話になりました。気象も、熱取得もデータ化され、そのことによって、バランスのいい室内気候を実現する道筋を解かれました。また今回は、壁一体型ソーラーの特別の提案が行われました。「究極の節電技術」というべきものです。

わたしの話
今回の震災は、津波震災であると同時に原発震災でした。チェルノブイリと同じレベル7に引き上げられました。レベル7でも、チェルノブイリとは違うといわれていますが、こちらはまだ現在進行形です。原発事故は、スロー・デス(時間を掛けてやってくる死)だといわれます。

もう原発は、いままでのようにはやれない、ということを申し上げました。落ち着くとアメリカもフランスも中国もやっている、日本はエネルギーで取り残される、とキャンペーンを張って、推進論者が鎌首をもたげることでしょうし、政治地図を見ると、共産党と社民党を除いては、基本的には推進です。けれど、地震が多発する狭い国土で原発でいいのかどうか、国民はこりごりの思いを持っています。
何が低コストなものですか、環境にいいですか。
大きなツケを国民の懐にも、地球環境にも及ぼしたのが、今回の原発震災でした。
わたしは、「地方の反乱」によって、新規のものはまずやれないと思っており、エネルギー主権は、地方に移ると見ています

住宅業界は、電力に歩調を合わせて、その膨張に加担してきました。
「オール電化」2002年13,000戸→ 2010年853,000戸に増加しています。
お湯も、煮炊きも、暖冷房も、電気に支配される生活を受け入れてきたのです。電力の原発100基構想が前提としてあり、その伴走を務めたのです。

町の工務店ネットは、『住まいを予防医学する本』で、原発について、かなり踏み込んで書き、わたしは「オール電化」否定論者でやってきました。今回の結果について、にわか仕込みでなく、それを正当に批判できる立場にあると思っています。
予防医学の本に、チェーホフの「煙草の害について」を翻案した一文を載せましたが、あの文章は、実は原発批判が背景にあります。この本を持っている人は、ぜひ読み直してみてください。

この夏、電気事業法27条の発動があるかも知れず、大停電の可能性は否定できません。
昨年、熱中症の多発しました。辺見庸は『朝日ジャーナル』に、身近にいた老人Aのことを書いています。その老人は「暑いではなく、熱い」と言って亡くなったそうです。死後、腸の温度を測ったら39度あったそうです。

わたしは講演のなかで、1965年以前 開放型の住宅に戻れるだろうか、と問題提起を行いました。それは、自然と、建物と応答しながら得ていた快適でした。夏は窓を開け放ち、冬は部屋を小割にし、多層建具で寒さをしのぎました。
そこに戻れるか。むずかしいと申し上げました。
ヒートアイランドと電気への依存。閉じる型住居になっているからです。

欲しいのは何か。持論であるエンド・ユース・アプローチ(エネルギーは最終用途の側から考える)
についてお話しました。
建物のエネルギーの6割以上は熱。低レベルな熱。高度なエネルギーは、パソコンや通信などで必要。暖房・冷房は、可能な限り建物で解決すへきだと、大事なのは設計だと。
冬は、日射取入れ。昼のおひさまを夜間にも。干したお布団は暖かいと。
夏は、日射遮蔽。高断熱・高気密の家は、一度入った熱はそのまま室内に溜まるので、であり入れないことが基本。日影図のシミュレーションを行い、庇・緑のスクリーンなど、おもしろい建築の仕掛けによって解決する、新しい住まいの衣替え(夏と冬のモードの転換)を行うのだと申し上げました。

今回、EOMが提案してくれたeソーラーは、押し込み換気(24時間)できる技術です、夏の日陰の外気を室内に導入という荒技があって、えっ! と声が挙がる提案でした。
夕方、水を打つと涼風を呼びます。その空気を室内に導きます。エアコンの冷たい空気は重いのでコンクリ土間の蓄冷に回ります。熱帯夜でも寝苦しくない夜を過ごすことができます。いい風が吹いている日は通風で涼を得ながら、熱帯夜は冷房を回し、それを蓄冷して翌日の昼にも生かすという方法です。
自然と、建物への応答系技術の復活を意味する技術であり、壁利用であることから、屋根は空いているので、太陽光発電や太陽熱給湯器を設置することもできます。

OMソーラーは、屋根一体型の設計でしたが、こちらは壁一体型設計です。夏に効果を得られる技術であることから、大きく普及する可能性を持っています。大きく化ける技術になるかも知れない、と感じており、この直観は、セミナー参加者の反応で確かめることができました。セミナーでは、大きな注目が寄せられ、これに取り組む町の工務店ネットへの加入が続出しています。

「チームおひさま」を発足させましたので、この取り組みについては、これからいよいよ本格的に取り組みます。熱い夏になりそうです。
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# by sosakujo | 2011-04-23 08:20
「チームおひさま」が発足しました
ブログ、少しばかり間が空きました。
町の工務店ネットのセミナーがあり、旅先で幾つかの原稿を書かなければならず、それで空いてしまいました。セミナーは、名古屋・大阪・福岡で開きました。
名古屋のセミナーに合わせて、「地震ノート」という小冊子が発行されました。〈地震年表」を入れました。これまでの「地震年表」は、『日本書紀』の記述から始まりましたが、今回は地震考古学の成果を活かし、縄文時代の地震も出ています。短時間でまとめたにしては、なかなかいい出来だと、何人かから言われています。

セミナーは、どこも盛況でした。
このあと、札幌・東京とセミナーは続きますが、東京は定員オーバーになりました。地震とエネルギー問題に焦点を絞ったのが、よかったのかも知れません。

この間に「チームおひさま」を発足させました。このことを、新建ハウジングの「プラスワン」5月号に書きました。
もう、新規の原発はやめるべきです。というより、つくれないと思います。ほとぼりが冷めると、多分、鎌首をもたげてくるでしょうし、オバマの意向もあり、政治地図的には、中央政界は原発推進ということでしょうが、地方がそれを許さないと思います。エネルギー主権は、地方に移ります。
では、原発に代わるエネルギーは何かとなりますが、太陽光発電に傾斜するでしょうね。それでいいのかどか、ほかにやり方はないのか、「チームおひさま」は、それをテーマにします。

自然エネルギー利用によって、ゼロ・エネルギーを実現することは可能です。
しかし、コスト。パフォーマンスが合いません。大きな普及を得るには、やはりコストが決定的です。自然エネルギーを基本にしながら、80万円程度のイニシャルコストで冷暖房を可能にする技術の実現をはかろうと考え射程距離に入りました。この技術は、主として夏対策の技術です。

フクシマ原発事故は、依然として深刻です。この夏、政府は電気事業法27条を発動するといわれていますが、計画停電であっても、灼熱地獄を呼び、高齢者の熱中症を招くことになると思います。予期しない大停電は、真夏日に起きるでしょうから、ほんとうに大変だと思います。
かつて、日本の家は通風によって涼を得ていましたが、力任せのやり方が主流となりました。元に戻れるかというと簡単ではありません。

パッシブで、低エネルギーな技術が切に求められています。もっというと、この夏に求められるのは「究極の節電技術」なのではないでしょうか。
『チームおひさま」は、このむずかしいテーマにチャレンジしています。
くわしい内容は、これから追々ご紹介していきます。
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# by sosakujo | 2011-04-19 17:15
ソルトン分裂による、黒い津波
宮古を襲った津波は、真っ黒でした。一番最初に報じられ、翌朝の新聞の一面にでた津波は、仙台の若林区に押し寄せた津波で、宮古の津波と色が違っていました。
その原因は何なのか、素人が軽々に言うことではなく、知っている人に教えて欲しくて書くのだけれど、巷間伝えられるソルトン分裂によるものなのでしょうか。

今回の大津波は、ソルトン分裂(破状性段破)という性質を持ち、それは、海の表面だけが動く波と異なり、海の底から水が動いて上がり、それを幾度も繰り返しながら海岸近くで波が高くせり上り、波状的に圧力を増す現象をいうそうです。
宮古の海は昆布と若布が豊富で、殊に重茂(おもえ)の天然若布は、天下一品です。それを津波が海の底から根こそぎ攫い、それであんなに黒い色をしていたのでは、と推量しました。

今、私の事務所で、、『地震ノート』というタイトルをつけた、16pの小冊子をまとめています。
この小冊子で、今回の地震が持つ不思議を、幾つか指摘しました。ソルトン分裂もその一つですし、周期1秒前後の「キラーパルス」についても触れました。

今回の地震の揺れの強さは最大2933ガルという猛烈なもので、これは阪神・淡路大震災の最大818ガルを大きく上回ります。にもかかわらず、建物被害の面からみると、東京浦安での液状化や、局所的被害は見られるものの、広域にわたる壊滅的被害は免れています。住宅レベルに多大な被害をもたらす、「キラーパルス」が、阪神淡路の2~3割と小さかったことが、その理由だという学説があって、これが原因なのでは、と考えました。

この小冊子に、地震年表を入れました。これまでの地震年表は、『日本書紀』の記述をもって始まるのが多いのですが、今回は、地震考古学の成果を取り入れ、有史以前の地震についても年表化しました。
11日に刷り上る予定です。
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# by sosakujo | 2011-04-04 17:44
仮設住宅、こうも考えられる
これまで仮設住宅はプレハブ住宅の独壇場でした。応急的措置として、集中的な生産が可能だからです。この点、工務店は地域に分散していて、役に立たないと考えられてきました。今回の震災があって改めて考えてみました。

建物は土地に固着して発生します。地域工務店は、土地に一番近いところで仕事しており、その工務店が、日本の住宅の約8割を造っています。しかし、仮設住宅では役割を果たせません。
集中的にやれるプレハブ住宅に対抗するには、分散しているものを集約することです。仮設住宅は30㎡なので、設計・仕様・価格を作り、ルール化し、システム化するのは可能です。仮設住宅の必要が生じたら、工務店はそれにエントリーします。資格・工事実績等々の審査を経て、OKとなったら、地元の材を用いて2~3戸刻みを行い、仕上げ・建具・室内家具などを加工し、大きなトラックを仕立て、職人もそれに乗り、旗竿を立てて、指定された建設地に向かいます。杭打ち(仮説は基礎を打ちません)、電気・上下水道等は、指定された別の業者がやればいいと思います。検査に合格できなかった欠陥建物は、トラックに積んで持ち帰るのもルールの一つです。

今、工務店は何かやりたいと思いながら、何もやれなくて苛立っています。
国交省(乃至関係機関)が募集を行えば、応募する工務店は少なくないと思います。それを集約すれば、相当の数になる筈です。
システム建築の経験を持つ、設計者とシステムエンジニアなら、一週間ぐらいで案をまとめられるでしょう。

問題は、資材入手です。自分のところで抱えている仕事すら資材が揃わないのに、仮設住宅はムリだと工務店は思うことでしょう。大儀のある話なので、地域の山、建材屋さんを対象に、とことん交渉すれば、わたしはそれなりに材は出てくると思います。ベニアが入らなければ、羽柄材を使えば、間伐材や端材も有効活用できます。
これをわたしは、平成「方丈庵」と名づけました。宇治に方丈庵をかまえ、災禍に見舞われた京の都を遠望しながら暮らした鴨長明にちなんでのネーミングです。農業小屋として使うこともできる小屋だといいですね。

二つ目の案
新建ハウジングの三浦編集長は、空き家と借家の借り上げを言っておられます。空家率が13%を超えていますので、これは有力です。
この場合、単なる借り上げではなく、仮設住宅に出すのだから、こちらにもお金を出し、建物を改修することを義務付けます。人が住まなくなった建物は朽ちますので、放置された空き家をなくすことと、手をいれることで、仮住まいで使われた後は、週末農業を行うための小屋、あるいは二地域居住の対象住宅にもなります。

村民がこぞって移動した例は、過去にもあります。
浜名湖岸にある村櫛は、移動民によって生まれた村でした。今から501年前、明応7年に「明応の大地震」で、淡水湖だった浜名湖が津波で決壊し、海と繋がることになりました。決壊場所は「今切口」と呼ばれ、釣りの名所になっていますが、多くの被害者を生み、生き残った人かこぞって移動した村が村櫛でした。村櫛という地名は、村中で引っ越した、村越しから変じたものです。
人口流出に悩む村からは、歓迎されることです。

中には、村中で引っ越したくない人もいます。多様なあり方を許容することを考えると、めいめいが気に行ったところを選ぶのも一案です。

これだけの激甚災害なので、いままでの概念に捉われず、大胆にやるべきだと思います。
こうしか考えられない、ではなく、こうも考えられるという発想への転換が大切です。
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# by sosakujo | 2011-03-26 13:41