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小池創作所代表・小池一三のブログです
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NHK『美の壺』--空中庭園と田瀬さんのこと
NHK BSプレミアムで『美の壺』--空中庭園が再放送されました。
一緒に「一坪里山」に取り組んでいる田瀬理夫さんが出演されていました。改めて、緑が持つ力の大きさを感じさせてくれる番組でした。

空中庭園があるアクロス福岡には、もう何回も訪問しており、ここを会場にセミナーを開いたこともあります。番組は、その原初の姿を映像で見せてくれました。草木が生い茂る現在の姿から想像もつかない、コンクリート剥き出しの建物でした。非難轟々、福岡市民の不評を買った建物でした。
田瀬さんにあったのは、「絶対確信」だったろうと思います。

10年後、20年後をしっかり見通して仕事をする人は、それ自体、稀有な存在です。もし、現場の人が分っていなければ、たちまち荒れ果ててしまったことでしょう。自然は勁(つよ)いものだけど、脆いものでもあります。日本の人工林と、里山が荒れているのは、明らかに人為的なものです。

お手入れ、という言葉が死語になりつつありますが、一方で、お手入れすることで得られる歓びに目覚める人も増えています。

住まいは、絶えざるお手入れを必要としています。
機械や設備は、時間を経ると必ず壊れます。町の工務店ネットは、壊れることを前提に設計すべき、ということを打ち出しました。メンテナンス・フリーという言葉は捨てよう、と言い合っています。

壊れるものがある一方、育てるものがあります。その第一は緑なのです。
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# by sosakujo | 2012-07-10 16:48
原発事故直後の米情報について
 今朝(6/18)の朝日新聞1面、2面通しで、原発事故直後、米情報を政府が避難情報として生かさなかったことを報道しました。「命守る情報、黙殺」というもので、つよくそれを非難する記事です。
 「あれっ?」と思いました。というのは、あのときインターネットを通じて、米情報を毎日のように見ていたからです。情報を出さなかった政府も問題でしたけれど、それを報道しなかったマスコミは、もっと問題ではなかったのか。

 あのとき、マスコミ報道を信じられず、 物理学者の高木仁三郎さんが設立された「原子力資料情報室」のwebを毎日見ていました。マスコミを含めて、 原子力業界の情報統制に影響されていると考えたからです。 
 米情報は、原発事故の真実を究めようとしていた人の間では周知のことでした。

 それを今になって政府の責任だけに帰するのは、どうかと思います。
 今朝のテレビ報道でも、論者たちは当時の政府批判を行っていました。「あなたはあのときの米情報を何も知らなかったの」と、その論者に聞きたいと思いました。わたしが知りえた程度の情報を、マスコミ中枢にいた人がつかんでいなかったわけがないからです。

 菅内閣は、曲がりなりにも脱原発に舵を切りました。
 今は、その揺り戻しが起こり、脱原発の流れを押しとどめようという流れが顕著です。
 この記事は、菅内閣のダメさを強調するものです。原発事故直後に現場に入った菅直人は、確かにおっちょこちょいでしたが、放射能が怖くて逃亡を図ろうとした小沢とは比較にならず、現場から撤退を図ろうとした東電幹部より真剣でした。わたしは、この点において菅直人を評価するものです。

 

 

 
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# by sosakujo | 2012-06-18 06:02
新建新聞社「プラスワン』連載、丸4年に
新建新聞社から発行されている、月刊『プラスワン』の連載(『独立自営工務店という発想」)を続けて、丸4年が経ちます。わたしの連載は、次回で47回目ですが、毎年1月号は特集が編まれるため、連載原稿は休載されますので、正確には4年と3ヶ月となります。

昨年、そろそろ連載を打ち切りたいと申し出た矢先に、3.11が起こりました。これに注視すべきと考え、「編集部も是非」ということなので、連載を続けることにしました。打ち切りを申し出た折に、かなりの分量に達しているので、これまでのものを一冊の本にまとめようという話もでましたが、これも延期することにしました。

今回の震災によって、あぶりだされたことが多々あり、それを追っていると、震災から1年を経ても、書くこと・書きたいことは山ほどあって、まだまだ続きそうです。

同誌6月号に掲載を予定している、47回目の原稿は、「郊外住宅の夢と現実」というタイトルをつけました。東京スカイツリーを物見の塔にして、スカイツリーの足元で起こっていること、遠望される首都圏外縁部で顕著になっている空洞化---もっというと過疎化について書きました。

連載原稿は、もう一つ抱えていて、こちらは季刊の住まい誌にペンネームで書いています。この連載も次回原稿で43回を重ねます。こちらは年4回なので11年も続けています。次号では、『ママチャリの効用』について書こうと思っていて、明日が締め切りなのに、まだ手をつけていません。

まあ、webの原稿だの、ネットワークの四季報だの、パンフレット類のコピー原稿だの、年柄年中、原稿を書いています。ものを書くには、新しい情報も得なければならず、新聞・雑誌、それから書籍を毎日読んでいます。近頃は、本屋に足を運ぶより通信で買うことが多く、献本などもあって、毎日のように自宅に書籍が届きます。読むのは、夜中か、出張の新幹線なか、といったことになります。

ブログを書きことが少なくなりましたので、何だか消息をお伝えするようなことになりましたが、次回の『プラスワン』の原稿は、かなりリキを入れて書いた原稿ですので、是非、ご一読ください。
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# by sosakujo | 2012-05-17 09:18
伊礼智さんの本
伊礼智さんの新刊、『伊礼智の住宅設計』(発行/エクスナレッジムック)が送られてきました。紙型はA4版、480pの大著です。

伊礼さんの本は、先に新建新聞社から出ていて、この本は、工務店を中心によく読まれています。工務店を対象にした本の多くは発行部数が限られています。その中にあって、この本は何回も重版されました。次にどんな本を出されるのだろう、と見ておりましたら、今回の大著です。

事例を、丁寧に扱っているのがいいと思いました。
図面がたくさん盛られていて、「守屋の家」の使用図面116点が完全収録されています。また、伊礼さんの「標準設計」のきっかけとなり、わたしも少し関わった「ソーラータウン久米川」についてもページが割かれています。

建築家は作家であり、クライアントから依頼を受けて、その作家世界を実現する人であって、工務店はその協力者と考える建築家が少なくありません。「一品設計」なんですね。
これに対し工務店は、仕事を繰り返しながら錬度を高められる条件を持っています。

伊礼さんは、そうした志向を持つ工務店を視野に入れることで、氏がいうところの「標準設計」を現実のものにされていて、この立場と、観点と、方法をものにされたという点において、この本はエポック・メーキングな一冊となり、この本によって、伊礼さんは独自の位置を、より明確にされたと思いました。
この本は、その成果物であって、そこにこの本の意味と価値があるように思います。

氏のこの志向性は、実は、OMの立ち上げ当初から、ずっとわたしが追ってきたことでもあって、また、今も実践していることでもあって、その点において、わたしにとって刺激的な一冊です。

この秋に、『びおハウスの学校』という本の発行を計画していますが、大きな勇気を与えられたと思っています。
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# by sosakujo | 2012-05-03 10:35
緒方貞子さんの発言
国際協力機構(JICA)の理事長を務めておられる緒方貞子さんが、日本政府がインフラ輸出戦略の柱に加賀ケル原発輸出に関して、『自分の国でうまくできなかったものを外に持って行っていいのか」という疑問を投げかけられました(朝日3/24東京版朝刊)。

この問題は、日本人の倫理観の根源にかかわることだと思い、あれよあれよという間に既成事実化している現状に、わたしはやきもきしていました。

緒方さんの発言は、まことに明快な発言で、胸のつかえが下りました。国連で長年、高等弁務官を務められた緒方さんならではの発言です。

おとこどもは、経済をいわれ、「成長戦略」をいわれると、腰砕けになりがちですが、そんなことに斟酌されず、きっぱりと、倫理的におかしいことはおかしい、と言い切っておられます。

輸出相手国が、ヴェトナムだったりして、彼の国がエネルギーに困っていて、その要請に基づくものなので手を貸したい気持ちはあります。けれど、このインフラ輸出は、途上国援助の範疇のものであり、結局、日本の原発推進企業に還流する仕組みがチラチラします。原発推進派の人材確保、研究継続という点からも、これを予算源として保持を図ろうという意図も透けて見えます。

これほどの事故を招いておいて、一体そんなことが許されるのか、見苦しい、と思っていましたので、緒方貞子さんのような方がちゃんと発言されていて、救われた思いでいます。
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# by sosakujo | 2012-03-26 01:57
パリでの大江健三郎の発言
ノーベル賞作家の大江健三郎が、「パリ書籍見本市」(サロン・デュ・リーブル)に招請され、原発の再稼働へと動く日本政府の姿勢を批判する講演を行いました。大江は、脱原発による「経済的、科学的、防衛的な理由は2次的なものでしかない」と言い切り、日本国民は、それでもし経済が疲弊するとしたら引き受けるべきだと言いました。

大江の原理主義は見上げたものだと再認識しました。
最近の世論調査で、脱原発に対して、男性47%、女性75%と、意識の違いが明らかになっていますが、男性の意識の背景には、やはり経済問題があるのだと思います。
経団連の米倉会長の原発擁護の発言は、そこを根拠にするもので、意外と根強いものです。
しかしそれは、被災者の「もし原発事故がなかったら、家族がバラバラになることはなかった」という声に説得力を持ち得るものではありません。
起こってしまったことを、どう考えるのか、何を改めるべきか。
そこが、今、問われているのだと思います。
大江の発言は、この点で揺るぎなく一貫しています。そしてそれは「豊かさとは何か」を衝いているように思います。

この人の本は、初期の短編集が好きで、長編も『遅れてきた青年』 『個人的な体験』『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』『ピンチランナー調書』『万延元年のフットボール』など、いろいろ読んできました。ノーベル賞受賞以降の小説は、本屋で立ち読み・拾い読みするだけで、買って読んでいません。
小説と、氏の社会的発言は違うという見方もありますが、久しぶりに読んでみようかな、と思っています。
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# by sosakujo | 2012-03-22 09:22
下北半島の核燃料サイクルについて
細野豪志原発相が、今朝(3/21)の新聞で、下北半島の核燃料サイクル施設について、これまで散々苦労して施設を受け入れてきてもらったのだから、今更、やめるとはいえない、という論旨の講演を、地元に近い八戸で講演したという報道がありました。

このところ、核燃料サイクル施設を巡っては、廃止が決められている「保安院」が、駆け込み的というか、最後っ屁と言うか、慌てて予算措置を取っているという報道がありました。気になっていましたが、やはりそういうことだったのか、というのが正直な感想です。

細野大臣の「青森の歴史を無視できぬ」という言い分は、沖縄の基地問題と共通しています。

昔、NHKの大河ドラマに『獅子の時代』というのがあって、会津で負けた武士たちが下北半島に移封され、荒地を相手に苦闘する姿(斗南藩の悲劇)が描かれたことがありました。
このドラマの主人公銑次(菅原文太)は、そのあと北海道で囚人生活を強いられ、また秩父事件にも加わるのですが、これはNHKの大河ドラマとしては異例のもので、脚本家の山田太一は、『岸辺のアルバム』だけの人ではないと見なおしたものでした。

「青森の歴史を無視できぬ」という記事を読んだとき、わたしは最近の核燃料サイクル施設のことだけでなく、斗南藩のことに頭が行きました。
それは戦後の沖縄の基地をめぐる前の、ずっとの歴史と重なることで、都合の悪いことは辺境に押し付け、近代国家を築いてきた、この国の歴史を問題を問うているのだと思います。

かといって、細野大臣の言説を首肯するものではありません。いやむしろ、こういうことで「恩返し」したと思っている政治の貧困が問題なのです。

核廃棄物は、トイレのないゴミだといわれます。
そのゴミを処理する施設ということは、つまりトイレを下北に押し付けているということです。予算措置は、その見返りです。何も本質的に解決しないで、現象を糊塗する政治が繰り広げられています。しかも膨大な利権が絡んでいると伝えられています。
一方、それでも地元は「歓迎」だといいます。
この「闇」は、この国そのものが抱える「闇」なのだと、朝から考え込んでいます。
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# by sosakujo | 2012-03-21 07:09
『戦火の馬』のことなど
久しぶりの休みに、スティーブン・スピルバーグ監督の最新作、『戦火の馬』を観て来ました。

ジョーイという美しい馬との出会いと別れを描いた映画ですが、映画らしい映画というか、淀川長治が生きていたら、きっと感嘆の声を挙げたに違いない、という映画です。映画館から出てきた人は顔は、みんないいものを観たというふうでした。

この映画の良さは、イギリスの小作の家庭から始まることです。ここで一気に感情移入させられます。
軍事用に徴用され、エピソードを重ねるたびに過酷な現実へと向かいます。
WEBで批評を探ると、「技術的に最高の」「堂々と感傷的な」「大胆にも古風な」などが出ていて、ウエル・メイド・プレイ(巧みにつくられた)な映画ではあるけれど、それは見事なもので、文句はありません。

ランドスケープの田瀬理夫さんは、馬は、最高のペットだといいます。遠野の牧場で、この話を聞きました。
田瀬さんのお話のあとに、亡くなった劇作家の木下順二に「ぜんぶ馬の本」という本を読み直しました。
天下の奇書とされ、シェイクスピアや漱石の文学と馬の関わり、馬に関する珍本奇本、美術品としての馬、大日本落馬史などが書き綴られたエッセイ集です。

この本を読んで、改めて馬はおもしろい、と思いましたが、それでも「最高のペット」というには、馬は普段の生活とは遠い存在でした。しかし、この映画を観て得心が行きました。
スピルバーグは、自身、15年間馬と生活したといいますが、ほんとうのことは、この映画を撮るまで分らなかった、と言っています。

わが家では、一匹のネコが待っていました。
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# by sosakujo | 2012-03-05 17:05
岐阜・川原町家のこと
町の工務店ネットの第2回総会、無事、終えました。
参加のみなさん、お疲れ様でした。
5人のスタッフで切り盛りするのは、少し荷が重くなってきました。
スタッフの増員を考えるべき時期にきたように思いました。

さて、会場となった十八楼は、長良川温泉の老舗旅館で、サービスも対応もよく、料理もおいしくてよかったです。
この旅館の前に、五木ひろしが唄った『長良川艶歌』の歌碑がありますが、その下の花壇に植えられていた花はパンジーでした。

この花は、フランス語では「思想」を意味する言葉だそうですが、シェークスピアの「夏の夜の夢」では、愛の媚薬となる花で、英語では、"ponce"(ヒモ)という単語の由来は"poncey"です。
そんな話よりなにより、パンジーが鵜飼の湊に似合う花かどうか、少し考えれば分る話です。無粋が過ぎます。

それよりヒドイと思ったのは、この古色豊かな川原町の町家の家並みに、ベーベルハウスの新築が建っていて、ありゃありゃ、と思わず声を挙げてしまいました。歴史的街区であるのに、と思いました。

仮に法令上許されたとしても、景観ということが頭にあれば、建築主も、これを建築したヘーベルハウスも、サイディング丸出しの建物は出来なかったと思います。
あまりに程度が低いというか、成熟した国ではあり得ないことです。

幾ら建築主から希望されても、ヘーベルハウスは断るべきだったと思います。
それとも、歴史的街区破壊をいいと思ってやっているのでしょうか・・・。
コマーシャルでは「エコ」を言っている企業ですが・・・。

建築は、恐いものです。
その場の空気感すら変えてしまいます。
いつも「恐い」を意識しながら、建築したいものだと思いました。
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# by sosakujo | 2012-02-23 10:07
岐阜・長良川温泉にて
岐阜・長良川温泉を会場にして、昨日から、街の工務店ネットの第2回総会を開いています。参加者は151名。去年、神戸で開いた第1回総会の倍の参加者になります。

たくさん集まればいい、というものではありませんが、盛り上がることは確かで、部屋部屋で、昨夜は遅くまで喧々諤々の議論がありました。話すことは、建築のことが主で、ある参加者は、これまでいろいろな会に出てきたけど、こんなに建築が話題にされる会はここだけかも、と言われました。

参加費は3万円。宿代・バス代・講師料などを入れると、事務局は、それでも赤字になります。
参加者は、北海道から鹿児島から来る人もいて、その人たちは交通費を入れると、一人10万円掛かる人も少なくありません。

身銭を切って参加するメンバーだから、深夜まで、時間を惜しむように議論に花が咲くのだと思います。

昨年、神戸で耐震関係のシンポジウムを開いたとき、参加費が1万円といったら、大団体の幹部の方は目を剝かれました。お金を出してまで参加する人はいないというのです。その団体の全国会議は、交通費・日当付だそうです。

今日は、会議の冒頭な1時間程度、お話します。
準備は、ずっとしてきたのですが、今朝、思うところがあり、3時に起きて直しました。
どんなことになるか分かりませんが、がんばります。
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# by sosakujo | 2012-02-22 07:58