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小池創作所代表・小池一三のブログです
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『1Q84』を読んでの感想

ここ2~3日、少しばかり時間がありましたので、評判になっている村上春樹の『1Q84』1~3巻を一気に読みました。
村上春樹はロマンを書く人だと思っていましたが、このロマンは飛び切りのものです。「大正ロマン」ということでいうと、「平成ロマン」というべき世界であって、われらの時代のヒストリカルロマンというべきものだと思いました。

小説の中にディケンズのことが2回出てきます。
ディケンズは、『二都物語』や『大いなる遺産』で知られる、イギリスのヴィクトリア朝を代表する作家です。ディケンズの描写は映画的で、この二つの代表作とも映画になっています。『大いなる遺産』はデビット・リーン監督で知られますが、最近、キュアロン監督によって撮られています。

この二人が監督を務めている一事をもって、ディケンズが、イギリスの国民作家であることを表しているわけですが、村上のキャラクター造形力(青豆にしても、天吾にしても、父親や牛河やリーダーにしても)は、そのディテールにおいて、ディケンズに比すべきものがあると思われました。広告惹句風にいうと「世界に通用する日本の国民作家」ということでしょうか。この評価は妥当だと思いました(牛河の造形は松本清張の人物描写を思わせるものがありますが、松本清張には青豆や天吾の造形はありません)。

映画的といえば、青豆を『華麗なる賭け』のフェイ・ダナウェイみたい、だと記述するところなどは、映像寄り掛かりの印象がなくはありません。フェイ・ダナウェイは、『俺たちに明日はない』『コンドル』『ルーという女』『小さな巨人』『チャイナタウン』『ネットワーク』など、みな見ています。『1Q84年』に即していうと、』『コンドル』に出てくるフェイ・ダナウェイが、一番、青豆に近いかも知れません。その緊迫感において。

しかし、むかしの作家が何ページをも費やした描写が、「フェイ・ダナウェイみたい」というだけで通じるのですから、現代の作家は映像に感謝すべきなのかも知れません。ノーマン・ベーラーが書いたものあたりから、こういう傾向は顕著になりました。とりわけ村上龍の小説は多くて、彼のものは、一種の情報小説のような性格を持っています。

けれども、村上春樹の比喩の巧みさ、あるいは豊饒さ、速射砲のように出てくるそれは、舌を巻くほど達者です。わたしのような滋賀直哉や中野重治の文章を模範として育った者には、その過剰さが眩しくもあり、鼻についてなりません。

たとえばそれは、牛河が児童公園の公衆便所の裏側の植え込みに向かって「長い貨物列車が鉄橋を渡り切ることができるくらいの時間をかけてようやく小便を終える」というような表現にみられます。この手の比喩は、全編に散りばめられています。

音楽と洋服の名前の羅列、それは「ヤナーチェックのシンフォニエッタ」に始まり、「マーラーの交響曲、ハイドンの室内楽、バッハの鍵盤音楽」「ジュンコシマダ」「ジバンシー」だの何だのに見られるものですが、これもまた過剰なまでに、全編に散りばめられ、繰り返し用いられます。なかには「長い貨物列車が鉄橋を渡り切ることができるくらい」に、あれもこれもと並べ立てた箇所もあります。

そうしたこと(もの)を好みとし、ライフスタイルにしている都市の女性には、これはもうたまらなく心地よいのでは、と思われました。
この本が、圧倒的な女性読者を獲得している理由の一つでもあると思われました。これを読むと、現代女性にとって、どういうことがカッコいいのか、よく分かりますので。

わたしに解せない形象としては、樺太帰りの朝鮮人であり、ゲイであり、元自衛隊のプロであるタマルでした。タマルがチェーホフやプルーストを口にすることにムリを感じました。この本の道具立てとして、チェーホフやプルーストを用いるのは分からないではありませんが、その役目をタマルに降ったという感じです。生硬さを感じました。汗が吹き出るように、自然にでていません。

小説世界として、「空気さなぎ」のことや、ふかえりの霊感力や、青豆の受胎などは、世界最大のベストセラー『聖書』の世界に比ぶれば驚くほどではありませんが(しかし牛河の6人のリトルピープルのピースには、思わず「上手い!」と唸りました)、そしてまた樺太(サハリン)ということでチェーホフが結びつくところも、まあそれなりに分かるのですが、タマルがあそこまでチェーホフを語るのか、果たして語れるのか、という点にクエッションを覚えたのです。

わたしは高校一年の時に中央公論社の『チェーホフ全集』を入手し、それ以来、ずっとチェーホフに親しんできたものですから、あのチェーホフの扱いに、少々つらいものを感じました。

プルーストの『失われた時を求めて』は、青豆があのシチュエーションにおいて、毎日のように読んでいるにかかわらず、その感慨なり、文学の感銘が何ら伝わってきません。単にヒマつぶしで読んでいる感じで、わたし的にはがっかりしました。この小説も、もう30年来の読者の一人なので。
要するに、いろいろ入れ込み過ぎて、消化が不十分なのです。

ヤマギシ会とオウムがモデルだといわれ、この世界はそれなりに書き込まれていますが、ストーリーというか、物語の道具立てになっていても、その思想的な掘り下げが形象になっておらず、竜頭蛇尾を感じました。これらをヒストリカルするには、まだ、もう少し時間を要するのかも知れません。

とりあえず、そんなところが読後感です。
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by sosakujo | 2010-05-31 11:55
びお3年目
住まいネット新聞びおが、この7月で3年目を迎えます。5日に1回の更新を、ほぼ完璧に続けています。読者のみなさん、関係者と編集スタッフに感謝します。

3年目に入るということで、大きなリニューアル作業を進めています。「住まいネット」を任じていますので、住まいのお手入れについて連載を開始します。担当は武山倫さんです。すでに作業に入っておられます。これをまとめあげて、『住まいを予防医学する本』(イエローの表紙)の続編で、『住まいをお手入れする本』(表紙をグリーンにします)を発行しようと計画を立てています。まずはweb版をお楽しみに。

webの方は、15日に1回の割合で(二十四節季に合わせて)、たかだみつみさんの版画によって、日本の伝統色を取り上げようと考えています。コラボする文章は、08年の「七十二候」に続いて、わたしが担当します。

このほか、幾つか新しい企画を立てています。

そういえば、ここしばらく工務店のパンフレットづくりに追われ、「びお」の特集記事をご無沙汰していましたが、すでに2本UPし、もう一本書く予定でいます。
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by sosakujo | 2010-05-28 11:04
週末住宅のすすめ
昨日、国交省主管による「木の家づくりから林業再生を考える委員会』(委員長/養老孟司)が開かれ、二地域居住をテーマに議論が行われました。国交省だけでなく、内閣府・総務省・農林省などからも、このテーマに関する施策が開陳され、養老先生からも、示唆に富んだ貴重なお話がありました

わたしの方は、都市部の週末の過ごし方について15分ほど報告しました。都市住民の週末住宅を、ドイツのクラインガルテンや、ロシアのダーチャと比較し、どう日本的に展開すべきなのか、という話をしたのですが、時間も短く深い話はできませんでした。

ニ地域居住については、一地域でも住宅を持てないのに、とんだ戯言と受け取られるかも知れません。都市部で住宅を入手するのはムリだけど、東京でいえば、たとえば茨木の筑波山の向こう側や、神奈川の丹沢など、少し足を延ばせば、土地が安いので実現可能性が高いと思います。

もし、定期借地で借りられるならベストで、家も小さくていいわけだから、負担は少なくて済みます。週末住宅でも「フラット35」など長期で低利な住宅ローンが利用できれば、それも好条件として加わります。つまり、都市部で土地を入手するのはムリでも、このやり方なら可能になるのです。

それは週末住宅として、地震の際の「疎開住宅」として、また定年後の「終の住処」にもなります。

地球は、宇宙の中で唯一、土の中に微生物が生息する星です。子どもが土に接し、地べたの生活を体験すること自体、教育効果は大きいと思います。

仕事や子どもの学校、文化や情報などの面で都市生活は簡単に捨てられないけど、週末に車を走らせて「家庭菜園付住宅」に向い、週明けに野菜などの収穫物を持って仕事に向う、そんな半定住生活なら実現したいと思われませんか。

何人かの若い人に話したら、どの人からも「それはいいですね」といわれ、団塊の世代に話したら、やはり「それなら可能だし、たのしい老後になりそうだ」と言われました。
わたしの母は91歳で亡くなりましたが、その時60歳を迎えたわたしは、母と同じだけ活きると、まだ人生3分の1残されていると思いました。

インテリジェンスを持った若者と、どう老後を過ごしたらいいのか悩んでいる団塊の世代が、このテーマで動いたら、日本は変わると思います。

定年になったら田舎にひっ込む、というのは昔からあります。それはめいめいが、自分の財産を踏まえ、老後の過ごし方を求めてのものでしたが、クラインガルテンやダーチャは制度として施策化されています。制度としてある、というのが重要だと思います
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by sosakujo | 2010-05-19 05:34
穴ごもり
この連休期間中、ずっと家で資料調べと原稿書きに明け暮れていました。

ぼくは、作業をしながらテレビを流し目で見る癖があります。
この間、テレビでは、上海万博と普天間問題と渋滞の報道がありました。

上海万博では「爛熟と感銘の喪失」ということを感じました。
上海は浦東地区に事務所があって、かれこれ50回位、行ったり来たりしました。ここ10年の上海の変化は驚くべきものがありますが、この疾風怒涛がいつまで続くのか、持つのか、爛熟は一方で崩落の危機をいつも内包しています。
テレビではこの間、関口ジュニアの「中国鉄道の旅」が再放送され、それをみながら中国の今後を按じました。現在の経済格差は克服されるのか、それとも2015年あたりに、かつての太平の乱や黄巾の乱のようなことが起こるのか・・・。
資本主義は貪欲であり、社会主義を使って資本主義を効率的に、暴力的に進める手法は、いずれ破綻を来す、というのがぼくの見解です。

普天間問題は、やはりお粗末としかいいようがありません。鳩山さんの沖縄訪問に関する一連の報道を見ながら、火だるま状態もいいところで、鳩山さんは早晩辞めざるを得なくなると思いました。一体、何を考えて沖縄に行ったのか不明です。官邸機能の極度の劣化というほかありません。、

あれほど歓呼の声で迎えられた首相が、一年もたたずにこれではという思いを持たざるを得ません。現実は、シェークスピアの世界のように過酷です。
少しでも日本の政治をよくしょうというなら、小沢一郎と肩を組んで一緒に辞めるのが鳩山さんが最後になさるべきことです。

小沢一郎の「起訴相当」を「魔女狩り」とする見方があります。マスコミ報道に引っ張られた採決であって、これはファシズムだというのです。
ぼくは魯迅が書いた「暴君の下の民衆は暴君よりも暴虐である」という言葉が頭に浮かびました。小沢一郎がやってきたことは、法の範囲内を装いながら、日本の政治家が慣習的にやってきたことで、記者会見を見ていると、何故、俺だけが責められるのだという憤懣に満ちています。

「起訴相当」の採決は、いうなら市民に委ねられた「入れ札」であり、それは市民の側の積もり積もった憤懣の表明であることを、小沢一郎並びに民主党は知らなければなりません。その無自覚が、日本の政治をダメにしているのだと思います。

確かに、法的には「暴虐」な採決です。
そこに映画の「12人の怒れる男」のようなやり取りがあったのかどうか知る由もありませんが、あの映画では、思い込みと決めつけの怖さをも実感しました。
民衆の持つ恐さを知り、真に理性が働く採決がはかられるには、問われていることに対し、まず小沢一郎に開示義務があるとわたしは思っています。

以上、資料調べをし、原稿を書きながら、つらつら思ったことでした。
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by sosakujo | 2010-05-06 06:22