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今回の旅は、岡山の勝山町にはじまり、北九州、博多、宮崎の高千穂、諸塚村を訪ねる旅です。最初の訪問先は、集成材で知られる岡山勝山町(今は町村合併されて真庭市)の銘建工業です。小池創作所で、前に集成材の本を作らせていただき、岡山駅前でレンタカーを借り勝山まで何回も通いました。浜松を7時に出て、岡山に10時半、勝山に着くと12時になります。勝山の旧出雲街道沿いにある「西蔵」でお昼を食べるようにしています。この店のランチはなかなかのものですが、勝山の最新の文化情報が分かるのがいいところです。今回も雑誌『銀花』で勝山特集が編まれていることを知り、またお雛様の本が出ていることを知り(それらは買い求めました)、真庭市が「バイオマスツアー」を組み募集していることを貼ってあるポスターで知りました。
お腹を満たし、脳に情報をインプットして銘建工業を訪問するというのが、ぼくの勝山訪問パターンで、今回もこのパターンを踏みました。よきパターンは、よきリズムを生んでくれるからです。 今回の訪問は、ホームページのリニューアルをやってくれないかという依頼を受けてのものでした。社長の中島浩一郎さんと、役員の安東さん、担当の中上さんが迎えてくださいました。久しぶりにお会いする中島さんは、この1年余り業界全体が改正基準法の影響を受けて落ち込んでいることもあり、滅入った気分でおられるかと心配されましたが、この方の前を向いて歩き続けるスピリッツは何も変わっておらず、パチパチと拍手を送りたいほどお元気で、かえってこちらが元気をいただく始末でした。 さて、新しいホームページに何をトップに持ってくるのか、そこが思案のしどころです。この結果は、数ヶ月後の結果をみてのお楽しみというところですが、この会社のネタは豊富なので、料理人としては力いっぱい腕が振るえます。 銘建工業は集成材の生産、特に管柱に関しては一工場の生産量世界一の会社です。直通のラミナを選び、一本一本グレージングして集成材にするという王道を歩んでいます。曲がり材を用いた最近の集成材との差異を、どう理解してもらうのかがいちばんの課題で、先に制作した本では、それを解くことにエネルギーを費やしました。 「200年住宅」がいわれる中で、この会社の真価は、いよいよ発揮されるものと考えられますが、品質よりもコストに傾斜しがちなのが業界であり、「悪貨が良貨を駆逐する」こともあります。昨今の事情をみると、よほど性根を据えてやらないと、本物が本物として生き抜くのがむずかしい局面に立っていると考えなければならないでしょう。 ぼくは、集成材を用いる工務店、建築家は、この工場を一回は見るべきと思っています。今回同行した佐塚(小池創作所のweb担当)は工場見学して、読むと見るとでは大違い、工場にノウハウがいっぱい詰まっている会社だと言って感動していました。 ぼくは北欧の集成材工場を数見てきましたし、国内のあちらこちらの工場も訪問しましたが、これほどの工場は、ほかに知りません。機械がやってくれることと、人間の目視を重視するあり方は、ドイツのクラフツマンの工場をみるようです。百聞は一見に如かずです。 この会社は、「ゴミ」をゴミにしていない会社でもあって、バイオマス発電、ペレット生産でも名を馳せていて、バイオマス発電では工場のエネルギーをまかなうだけでく売電して半端でない利益を挙げ、石油高騰よってA重油100円の時代に、その半分のコストで良質のペレットを販売しています。銘建は、ペレット生産量日本一の工場でもあって、集成材を生産する過程で生じるプレーナーの「屑」を用いて、良質のホワイトペレットを生産しています。 確実に「ゴミ」は資源になっていて、あと残されたのは「灰だけ!」ということでした。 木材の事業活動に伴う焼却灰は、産業廃棄物の燃え殻に該当し、その処分については、 廃棄物処理法による規制を受けます。銘建工業は、この灰処理に未だ10数万円のお金を支払っていて、中島浩一郎さんにはそれが「もったいない」と思えて仕方ないようです。 灰はカリウムを多く含むため、昔から農業用肥料として用いられてきました。森林を焼き、その灰を肥料として農業を行う焼畑農業がいい例です。豊富なミネラルを持った灰は、ほんらい廃棄物ではなく有効利用すべき素材です。しかし、日本の法律では、灰の処理生成物を、肥料として使用する場合は、肥料取締. 法の規制を受けます。この点をクリアし、使える肥料にするためには、なかなか大変なハードルがまだ待ち受けているようです。そのハードルが高ければ高いほどやる気が起こるのが中島浩一郎さんなのです。 「あとは灰だけ!」という言葉が、ぼくの耳にこびりついて離れません。
by sosakujo
| 2008-06-10 06:14
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