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小池創作所代表・小池一三のブログです
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チェーホフを描いた『ロマンス』
  こまつ座による『ロマンス』というお芝居が、今月30日まで世田谷パフリックシアターで上演されています。先月、出張のついでに観て来ました。作は井上ひさし、演出栗山民也、チェーホフの生涯を描いていて、井上ひさし一連の人物劇(ぼくはこれまで宮沢賢治、樋口一葉、太宰治のものなどを観ています)の一つとなるものです。
  チェーホフを演じるのは4人の役者で、少年・青年・壮年・晩年と演じわけます。チェーホフの妻のオリガ・クニッペルを大竹しのぶ、チェーホフの妹のマリア・チェーホワは松たか子ですが、この6人の役者が、モスクワ芸術座のスタニスラフスキーだの、ダンチェンコだの、またトルストイだの、チェーホフのボードビルに出て来るかみさんだの(一種の劇中劇になっています)を演じていて、この変身の連続を結構楽しめますが、煩くもあります。
  ぼくはチェーホフとの付き合いは、かれこれ50年になり、膨大な数の短編小説も読み込んでいますので、チェーホフの本質はボードビルにあるという井上ひさしの捉え方は、うなづけるものがありました。ドラマの一景は、6人の役者たちが『かもめ』も『ワーニャ伯父さん』も『三人姉妹』も『櫻の園』も、みんなボードビルだと歌うことから始まります。チーホフの四大戯曲をボードビルと括る大胆さは、井上ひさしでなければ描けなかったことだと思います。
  チェーホフは喜劇を描いたのに、モスクワ芸術座(ぼくは来日したモスクワ芸術座の『三人姉妹』を観ています)の演出は悲劇にしてしまいました。日本のチェーホフ劇は、このモスクワ芸術座を下敷きにして上演され、その悲劇性は、より濃いものがありました。戦後に上演された俳優座の『櫻の園』(ラネーフスカヤ夫人/東山千栄子)も、文学座のもの(同/杉村春子)も、民芸のもの(同/細川ちえ子)さえ(全部観ています)、みんな悲劇としか思えないものでした。ラネーフスカヤ夫人は、ほんとうは可笑しい人なのだと、何故描けないのか不思議でしたが、悲劇性への客席の期待に、多分、みんな応えたのだと思います。
  大竹しのぶのオリガ・クニッペルは、役者としての自分が芸達者であることを演じていて、ぼくにはそれが不快でした。「役者殺すには刃物はいらぬ。ちょいと褒めればいい」といわれますが、彼女の周りには彼女の芸を褒める人が多いのでしょうね。ウケを狙うと作品は歪みます。しかし、客席の期待に、役者という職業はつい応えてしまうものなのですね。

  ぼくは『住まいを予防医学する本』のなかに、ペンネームで、チェーホフの『煙草の害について』を原案とする翻案劇を書きましたが(何でこの本にチェーホフがあるのか訝しく感じた人が多かったようです)、これを書いている時間は、とても楽しいものでした。
  けれども、ボートビルになっているかというと、書いていて、何だか知らぬ間に日本的な哀歓に向かっていて、喜劇の風土を生きていないことを痛感したものです。
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by sosakujo | 2007-09-06 19:14
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