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「そら」さんから投稿をいただき、簡単なご返事を書きましたが、わたしが畔上圭子という筆名で連載している原稿(季刊誌『住む』08秋号「センス・オブ・プロポーション」)に、この問題に関して原稿を書きましたので、それを一部転載します。
タイトル:小さな冷蔵庫でいい 冷蔵庫の省エネ性 この夏の暑さは尋常のものではなかった。わが家では冷蔵庫の製氷が機能しなくなった。扉のパッキングが劣化して冷却に支障を来たしたようだ。購入から14年になるので、寿命尽きたかと考えて、それで電気屋に足を運んだ。 今のものは410Lの大きさである。これを買った当時、とんでもなく大きなものを買ってしまったと思ったが、最近のものはさらに大きくなっていて、565L(日立R-W5700)のものがあり、各社のパンフレットをみると、どこも「ビック」を強調し、「でかでか」「たっぷり」が謳われていた。 もう一つ特徴的なことは、80%の湿度環境、ラップ包装不要、ボトムフリーザー、液晶モニターによる庫内の運転状況チェック、オゾン破壊係数ゼロ、省エネ性アップなど、各社共に「技あり」をアピールしていることだ。 ただ、冷蔵庫の省エネ率のアップについては、いろいろ指摘されていて問題が少なくないようだ。 もともと冷蔵庫は、洗濯器やテレビやエアコンなどと違って365日働きづめで、家庭で使う電気代の約20%は冷蔵庫だといわれている。生活費に直接的に響く冷蔵庫の省エネ性は、環境性能という以上に、電気代が問題とされる。そのため、メ―カー間で、誇大広告といえる宣伝戦が繰り広げられ、基本となる計算の根拠自体、どこまで信頼性があるのか問題にされている。 省エネに最も関係の深い消費電力量について見ると、その測定方法が1998年と2006年に改正され、そのたびに、同一機種の消費電力量が3~4倍に増えている。前年までの測定方法が実際の使用実態とかけ離れているという消費者の指摘で改正されたものである。 98年までは、冷蔵庫の周囲温度25℃、扉の開閉なしで測定されたのが、99年には扉の開閉は冷凍庫8回、冷蔵庫25回で計算された。しかし壁からの配置は30㎝、庫内の各種機能は作動させず、庫内温度設定値は5度であった。これも06年では、周囲温度30℃(夏)15度(冬)、扉の開閉数は冷凍庫8回、冷蔵庫35回、壁からの配置は5㎝、庫内に水入りペットボトルを入れ、ヒーターを使う自動製氷、脱臭機能も作動させ、庫内温度設定値は四度に改正された。こうしてみると数値もどこまで信頼に値するか微妙だ。 今回カタログを見比べて疑問を感じたのは、各社の容量表示がバラバラであることだった。401Lのものがあれば、404Lがあったりした。わざと比較検討をやり難いようにしているのでは、と思った。「省エネ基準を大幅に超過達成」というポスターが、空しく感じられた。 冷蔵庫の消費電力量 わたしはこれまで、迂闊にも冷蔵庫の大きさによって消費電力量が異なるものと思っていた。大きな容量のものが、当然に電力量も大きいと思い込んでいた。ところが、カタログの数字を細かく見たら、これが違うのである。 ナショナルの465L(NR-E471T)の消費電力量は570kwhで、同じナショナル製品である320L(NR-C326M)は580kwhである。一体、どういうことだこれは? 理由は、製造メーカーが400L以上の売れ筋を重視し、そこばかりに最新技術を傾注したからである。 カタログでは、小さな冷蔵庫を「スタイリッシュ」「自炊派におすすめ」「ひとり暮らしに最適」をいいながら、実態は、小さな冷蔵庫に関しては開発を捨ててきたのである。 経済産業省資源エネルギー庁の外郭団体(財)省エネルギーセンターのホームページに、「小さな冷蔵庫を選んでも、容量が大きな冷蔵庫の方が年間消費電力が小さいことがあり」「いっその事、高くても最新機能搭載で、余裕のある大容量の」冷蔵庫を選ぶべき、と出ていた。 同センターは、電力関係者がトップを務め、予算の8割近くの43億円を国の補助金が占めている。国民の税金を使って、こういうアピールをしてよいのか疑問である。これではメーカーの片棒を担いでいわれても反論できないだろう。 これからの時代を考えると、小さな冷蔵庫を、同時に電気代も少なくて済むようにするのが、メーカーの務めである。そういうあり方をバックアップするのが「省エネ」センターの、本来の役目ではないか。 小さな冷蔵庫は、たいがい学生の下宿や一人老人の家で用いられるのだから、電気代が生活に及ぼす影響は大きい。その人たちに過酷を強いたまま、売れ筋ばかりに血道をあげている電器メーカーと、その片棒を担ぐ連中に、もう少し事の理非を考えてもらいたいと思った。 (後略) あとは、本誌が発売されたら読んでください。 発行は9月21日なので、本誌でも是非読んでください。
by sosakujo
| 2007-08-17 08:36
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