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久しぶりに映画館で映画を観ました。『CHE 28歳の革命』です。
新聞の広告や、映画評を幾つか見て、読んで、ハリウッドが作ったチェ・ゲバラの映画に興味を持ちました。監督のスティーブン。ソダーバーグは、『セックスと嘘とビデオテープ』の監督で、この映画で彼はカンヌ国際映画祭でパルムドール賞(最高賞)を受賞しています。また、『トラフィック』アカデミー監督賞を受賞しています。いうなら売れっ子のソダーバーグが、何故、チェ・ゲバラを題材に選んだかも興味がありました。 彼は朝日新聞のインタビーに、ハリウッドの投資者は「じっとしていて」お金が入る人たちだといい、「制作現場で働き、赤字を出せば問題になる人々。富の配分はもっといい割合があるはず」だといいます。ソダーバーグ自身のやり場のない怒りみたいなものが、このインタビューから伝わってきました。 で、映画ですが、革命を描きながら、革命の興奮を避けるように描いた作品という印象を持ちました。 メキシコから7日間の航海のあと、革命軍はキューバ東岸のオリエンテ州ビノクに上陸します。上陸早々、バチスタ軍の攻撃を受け80名いた革命軍は、わずか10数名しか生き残りません。そこから山中行軍が延々と続きます。間に何回か交戦がありますが、チェ・ゲバラと革命軍の日常に描写の重点が置かれていて、行軍の間に静かに本に向うシーンや、ぜん息に苦しむシーンが出てきて、それが格好がよくて、そうかチェ・ゲバラという男は、こういう男だったのだということが、徐々に浮かび上がります。 国連での演説などの実写と、映画で撮られたものとがクロスして、本人と役者であるベニチオ・デル・テルが演じるチェとが区別がつかないほどに似ているのが、映画として効を奏しているように思いました。フィデル・カストロも、こういう男だったんだろうな、と思いました。 偶像化されているチェ・ゲバラを、生身の像はこうだったと描くことで、ぼくはキューバ革命の姿を知ることができました。 この映画は二部構成になっていて、続編として『CHE39歳別れの手紙』が、今月31日から上映されます。 ゲバラのボリビアでの出来事は、ナチスの戦犯、残党であるクラウス・バルビーの軌跡を追ったドキュメンタリー映画『敵こそ、わが友』に出てきた話でもありました。あの映画でバルビーは、ゲバラのことを「赤子の手を捻るようなものだった」と語り、ゲバラの虐殺遺体が記録フィルムとして映し出されました。バルビーの暗躍は、あの時代の南米におけるCIAの活動と重なっており、ゲバラを追い詰め、殺したアメリカで、今回の映画が作られたことに、ぼくは一つの歴史ということを感じます。 オバマの対キューバ政策は、中米、南米の、現在の動きとも重なっており、さてどういう政策を打ち出すのか、とても興味があります。 「びお」のブリ特集、かなり力を入れて書きました。ぜひ、ご覧下さい。
by sosakujo
| 2009-01-12 10:37
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